俳優という人生の軌跡

 役者・俳優という仕事は、私にとっては縁遠い。
 縁遠いというのはどういうことかというと、今はもちろん、かつてだって役者になろうと思ったことなどはないという意味でだ。自分の容姿については自分が良くわきまえているし、そんな自分を人前にさらけ出すということにも抵抗があるから、まずもって自分が役者や俳優になろうなんて思ったことはない。

 もちろん、若い頃はテレビや映画を観て、一度で良いからワーキャーいわれる世界に身を置いたらどうだろうという想像くらいはしたりもする。
 たとえばその昔、高倉健の任侠映画を観た男性たちは、映画館を出てくるときには自分がスクリーンの一人になったかの如く、肩をいからせ、少し大股で足を開いて歩いていたそうだし、自分だって、テレビドラマの一シーンを真似してみたりもするから、俳優をするのもまんざらではないだろうか、味のある脇役くらいでもやれるかもしれないなんて思ったりもする。

 そんな感じで、縁は遠い俳優という職業だけれども、もしかしたら自分だってできるかもしれないし、やってやれないことかもしれないと、ハードルが急に低くなったりもするのが我ながら変だなとは思う。

 では、実際の役者・俳優という方は、どのようなことを考え、どのようなことを悩み、そして普段はどんな生活をしているのだろうと思うものだ。

 自分は俳優や役者にはなれない。
 だけど、俳優や役者という職業から何かを学ぶことはできるかもしれない。
 そこで、日本を代表する俳優の著書を手に取ってみようということで、山崎努氏の『俳優のノート』を読み始めたのであります。

『俳優のノート』

 本書『俳優のノートは』は、山崎氏が『リア王』のリアを演じたときにつけていた日記を基にしたもの。

 日記といっても、最近よくある軽いブログのような日記ではない。
 芸能界ではブログをそのまま本にしてしまう傾向もあり、軽いブログとは全く似ても似つかない、はるかに尊い“演じる記録”、“生きる記録”なのだ。重厚感が全然違う。

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