池上彰三冊勝負

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 2020年現在、テレビ等でいちばん安定しているニュース解説者と言えば、池上彰に並ぶ人はいないだろう。最近は若干年齢を重ねてきた感はあるけれど、それでもやはり見てしまうところがある。解説のわかりやすさはもちろんのこと、話し方や間の置き方など、その他の追随を許さないほどではないだろうか。おまけに選挙速報などでは当選者に臆せず質問をしていくあたりは、ジャーナリストとしての面影があってか、ネットの民からは“池上無双”と呼ばれることもあるらしく、それもまたこの安定感につながっているのではないでしょうか。

 いったいこの“わかりやすさ”はどういったところから来ているのだろうか。
 池上彰氏からから学ぶところはないだろうか?

 このレビューサイトを作っている私は、ほんとに小さな個人事業主なので、プレゼンをするなんてことは皆無なのだけれど、しかし最近はこれまでの経験を伝えていく立場になってきているので、以前より人前で話すことも増えてきている。ときどきフェイスブックなどでライブ配信などをするようになったので、ますます“わかりやすさ”を意識せざるを得ない。
 実際にパワーポイントで資料を作ったりと、今までやったことがないことも少しずつ増えている。そんなことをしていると、もうちょっとうまくできないものかと、自分なりにも欲が出てくるところある。

 いったいどうやったら“わかりやすさ”がでてくるのだろうか。
 “わかりやすさ”といえば、池上彰。

 ということで、講談社現代新書から出版されている池上彰のわかりやすさシリーズを、三冊勝負で取り上げてみようと思います。

『わかりやすく〈伝える〉技術』

 わかりやすさシリーズの第1弾といっていい存在がこちらの『わかりやすく〈伝える〉技術』。

 出版されたのは2009年。池上氏がフリーになったのが2005年だそうです。その年には既に民放に初出演し、テレビ朝日の『学べる!!ニュースショー!』がはじまったのが2008年。
 といことで、この『わかりやすく〈伝える〉技術』は、そろそろお茶の間にも広く池上氏の顔と名前が伝わって、「この人のニュース番組は分かりやすいから観たい!」という印象が根付いてきた頃の作品と言うことができます。

 本書は、池上彰氏がNHKに入った当初の話や、そこからニュース番組を担当し、「週刊こどもニュース」に抜擢するまでの道のり、そして試行錯誤しながら「週刊こどもニュース」を作り上げたことなどが語られており、その端々に、テレビを通して“わかりやすさ”を追究してきた姿が伝わってきます。そして、そのお話しの中に、どうすればわかりやすくなるかというヒントもちりばめられています。

『超能力健康法』

 まず、もうすでにタイトルからしてぶっ飛んでます!

 なにせ“超能力健康法”ですからね、超能力!
 冒頭でも述べましたように、超能力と言えばスプーン曲げと相場が決まっておりますが、川津氏はそのようなエンターテインメントはとうの昔にお捨てになり、人生が楽しくなるような生き方のために使うべきという発想から、超能力で健康になる!というものです。どうしてスプーン曲げを止めたかは、上述した『三回死んでわかったこと』に詳しいので、ご興味のある方はそちらを読んでもらうとしても、でも、『三回死んでわかったこと』を先に読んでおかないと、この『超能力健康法』がいかにもオカルトな本に写ってしまうかもしれませんし、本書の趣旨もなかなか伝わらないかもしれません。

 本書は、川津祐介さんが体調を崩して体験した野口整体の話からはじまります。恐らく、はっきりとした明言はありませんので推測ですが、この“超能力健康法”と称する健康法の内容は、基本は野口整体にあるのかと思います。その基本に対して、川津祐介さんが経験をしたオリジナルを織り込みながらの内容となっているようです。
 正直なところ、とても詳しく操法が載っているとは言えませんので、本格的に学びたい人にとってはもの足りないかと思います。しかし、先ずは簡単にやれることをやってみようか?というくらいのライトなものであれば、参考になるところも多いかと思います。また、施術をするときの気持ちのあり方はとても純粋で、見習うところも多々あると思います。

 健康になる方法に、あえて超能力を挙げているところや、俳優ということを度外視にして、真っ向勝負で本当のことを伝えようという強い気持ちは、ただならぬものを感じます。

『こんなにヤセていいかしら』

 この『こんなにヤセていいかしら』は、上述した『超能力健康法』が発刊された3年後に出版されたもの。私も記憶の中で、

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