サッカーに詳しくなるための本(3) フォーメーションを学ぶ

サッカーのフォーメーション

サッカー中継を見ていると、実況者や解説者が、「スリーバック気味に入ってきましたね!」とか、「ファイブバックでかなり守備的に固めています!」というのを聴いたことがあるかと思います。

また、試合前や試合中に、選手紹介とともに各選手の配置図が出てくるのを見たことがあるかと思います。

その配置図が、フォーメーションです。

このフォーメーションにはいくつか型があり、この型をある程度知っていると、サッカー観戦の楽しさが倍増します。
そして、友達と観戦しているときに、「あぁ、3-4-2-1で来たかぁ・・・」なんてつぶやこうものなら、「コイツ、サッカー知ってんな?」なんて思われること必至であります。

4-2-3-1

“トータルフットボール”というサッカーの概念があります。
これは、組織的に攻め、組織的に守るという、組織による戦術を目指したサッカースタイルのこと。
今でこそこの組織的戦術は当然のものとなりましたが、当時は画期的な概念でした。

このトータルフットボールを具体的に実現したのが、オランダ出身のリヌス・ミケルス監督。
そしてそれを選手として実践したのが、オランダのヨハン・クライフ
特にクライフは、選手としてはもちろん、指導者としてもカリスマ的存在感と実績を残した方。

ということで、このあたりから戦術、フォーメーションというのがサッカーというスポーツに出てきたわけであります。

そんな歴史も分かり、かつフォーメーションの基本的な形が分るのがこちらの本であります。

著者の杉山茂樹氏は、サッカーライター。
“サッカー番長”の異名を持ち、日本代表などをセルジオ越後氏並みに酷評することも。
そんな過激な姿勢から、ネット上では様々な批判がのっている著者ではありますが、本書は、そんな批判をぬぐい去っても読む価値あり。
とにかく分かりやすいし、様々なフォーメーションの基礎がのっていて、サッカーの歴史も概観できるところが秀逸の一冊。

そして熱い語りぶりが、サッカーというスポーツに興味をぐいぐいと引っ張ってくれるのも、“サッカー番長”ならでは。

[quads id=1]

その後余裕があれば、杉山氏の『チャンピオンズリーグ決勝 バルサ対マンU』を続けて読むのもオススメです。

フォーメーション力、さらに深めて・・・

杉山氏の本を読んだ後は、なんだか自分の中でのサッカーへの熱量が上がっていることが分ると思います。

この熱量を下げずに、さらにフォーメーション力を高めたいところ。

そこでこのシリーズもなかなかのものです。

サッカーがどうしてここまで“戦術”を重視するのか。

その背景、中身を知る。
知れば知るほど、神様の采配ではないかと思われるほどに、絶妙なスポーツであることが分かり、それがまたこのサッカーという競技への飽くなき探求を呼び起こしていくのであります。

[quads id=2]

監督自らの戦術論を読む

名将・知将と呼ばれるサッカーの監督は少なくない。
それぞれに得意とする型を持っている。
巧みな戦術、チームをまとめる力、先を読む力などなど、名将・知将と呼ばれるだけの由縁がそこにはある。
そしてその背景には、必ず“哲学”が存在する。
サッカーを語りながら、いつの間にか人生について語っているのではないかということはよくあること。

ということで、監督自らが著わした戦術論も、フォーメーションを読み解く一助となる。

[quads id=2]

サッカーを理解することは、単なる一スポーツへの理解で留まることはありません。
サッカーを理解することは、大げさに言えば人生について考えることにつながっていきます。

奥が深い、深すぎるサッカーの世界を、書物を通して知ることをお薦めいたします。

レビュアープロフィール

瀬戸 郁保
瀬戸 郁保
コガネブックス店主

本が好きで、ついつい買ってしまう。。
本業は鍼灸師・国際中医師で、東洋医学畑の人間です。
体について、心についてといった本業に関係する本を読むことが多いですが、その他にも旅、食べ物などいろいろと。
東京の表参道で源保堂鍼灸院の院長をしている。
また、登録販売者であり国際中医師でもあり、薬戸金堂という漢方薬店の店主でもある。

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です